男の秘密 -繋がる未来-
両親
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とても良く晴れた何処までも続く青い空に白い雲、気持ちの良い風が背中から前に抜けて行く際に、青々と茂った草がザワザワと音を立てて揺れている。

『ここ・・・』

見渡す限りの草原が続くこの場所は人工物が何も無かった。

『夢?』

グルリと辺りを見渡し、漠然とそう結論付けた優は歩き出す。

景色は変らないが、何か変化が起こるかもしれないからだ。

膝より低い草の上を裸足で歩く感覚は、気持ちよかったが、少し不安だった。

『どうしてこんな夢を見るのかしら』

夢を見ていると分かる時は、あまり良い夢では無い事が多かった。

この前夢だと分かった時は、両親の事故の時のものだったし、両親の夢だとすると、悲しいものなのかもとしれない。

こんな素晴らしい景色を楽しめないのは、勿体無いのだろうが、誰も存在しない世界は寂しいものだった。
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