男の秘密 -繋がる未来-
「君の名前は・・あぁ僕は斉藤優人(さいとうゆうと)、こっちが妻の千尋(ちひろ)です」
「優です」
自分の見ている夢だと分かっていたが、敢えて苗字は言わなかった。
「えぇ!ゆうって名前なの!?この子も優って言うんだ」
嬉しそうに話す優人に優の緊張も解れた。
「優さんみたいに可愛く育ってくれたら良いなぁ」
腕の中で眠る優に向って愛おしそうにそう話しかける。
「ふふふ、親ばかでしょ」
「じゃぁ君は思わないのかい?」
「思うわ。当たり前じゃない」
楽しそうな会話を聞いていると、本当にあの頃に戻った気がした。
「優さんは幾つになったの?」
「え、今は24です」
「24歳かぁじゃあ結婚とかも考える年だよね・・・あ、ごめんセクハラ?」
優人が慌てて弁解するのを千尋と二人で笑った。