男の秘密 -繋がる未来-


「君の名前は・・あぁ僕は斉藤優人(さいとうゆうと)、こっちが妻の千尋(ちひろ)です」

「優です」

自分の見ている夢だと分かっていたが、敢えて苗字は言わなかった。

「えぇ!ゆうって名前なの!?この子も優って言うんだ」

嬉しそうに話す優人に優の緊張も解れた。

「優さんみたいに可愛く育ってくれたら良いなぁ」

腕の中で眠る優に向って愛おしそうにそう話しかける。

「ふふふ、親ばかでしょ」

「じゃぁ君は思わないのかい?」

「思うわ。当たり前じゃない」

楽しそうな会話を聞いていると、本当にあの頃に戻った気がした。

「優さんは幾つになったの?」

「え、今は24です」

「24歳かぁじゃあ結婚とかも考える年だよね・・・あ、ごめんセクハラ?」

優人が慌てて弁解するのを千尋と二人で笑った。
< 92 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop