男の秘密 －繋がる未来－

「見る目有りそうだしね。ごねんね、不安になるような事を言って、でも父親になると、心配になるんだよね」

そう言って、腕の中の小さな優を見つめている姿を見ると、自分が愛されているのだと感じる。

「いいえ、謝らないで下さい。私・・・両親を幼い頃に亡くしたので、お父さんが生きていたら、優人さんみたいな事を言ってくれるのかなって・・・」

「両親を亡くされたんだ。それは寂しい思いをしたんだね」

「確かに、両親が居てくれたらって思う事も有りましたが、祖母が傍に居てくれたので一人じゃなかったです」

「ご両親も辛かっただろうね。君を残していくのは」

『そうか、今まで自分の事ばかり考えていたけど、お父さん、お母さんだって、悲しかったかもしれないんだ』

そう思うと、胸が苦しくなった。

今まで気付かなかった自分が悔しい。