男の秘密 -繋がる未来-
「優!大丈夫か?」

「しの・ぶ・・さん」

心配そうに覗き込む忍を見て、自分が夢を見ていた事を思い出した。

そして、夢の中の感情が一気に噴出して、耐え切れず忍にしがみ付いた。

「優?!」

突然しがみ付き泣き始める優に驚き、慌てる忍だったが、夢でも見たのかと納得して、何も言わず抱きしめて、背中を摩ってくれる。

優の中の感情が納まるまで、ずっとそうしていたら、空が白み始めて来た。

この部屋は、カーテンを閉めずにロケに出て、そのままにしていたので、部屋中に朝日が差し込んでいく。

その光景をぼんやりと眺めていると、忍の腕の中で優が身動きをした。

「落ち着いたのか」

「うん。ごめんね。忍さん眠れなかったわよね」

声をかけると、忍の方を見上げて、申し訳なさそうにそう言った。

「いや、問題ない。それより、怖い夢でも見たのか?」

「ううん。・・怖い夢じゃないの、でも・・・今は気持ちの整理がつかないから、落ち着いてから話すわ」

泣き疲れてか、感情が高ぶっていた所為か、気だるげにそういう優。
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