ふゆの恋花火
わたしは最初、葵が言った言葉の意味がわからなかった。


「あお…い……?」



「好きだよ。美冬」




葵は、そっとわたしを抱き締めた。




「え…じゃ…葵の好きな子って」


「美冬だよ。

……さっきからのあの態度は、俺のことが好きなんだって、受け取っていいんだよな?」



わたしは、小さく頷いた。




「…好きだ…美冬」


「わたしもだよ…葵…」





夜空には、大輪の花火が咲いていた。






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