ふゆの恋花火
翌日、わたしは授業をサボって屋上に寝そべっていた。
「やっぱここにいたな…美冬」
「…葵…」
わたしは視界に映る逆さまの葵の顔をじっと見つめた。
「…何だよ…」
「いや…あんたってさ、なんか、太陽みたいだなって」
なぜがこの言葉がさらっと出てしまった。
「……は?」
「明るいってゆうか、あったかいってゆうか」
「褒められてるって、受け取るよ?」
「どうぞ」
こんなふうに、素直に会話できたのは初めてかもしれない。
「お前って、素直にしてたら可愛いね」
「嫌味ですか」
「まぁ、近からず、遠からず」
葵は、わたしの隣にきて、同じように寝そべった。