ふゆの恋花火
数十分、ゲームセンターで時間を潰し、わたしたちは昼食を取るため

近くのファーストフード店に入った。



「すごいねー、ほぼ一発で景品取っちゃうんだから。葵」

「言ったじゃん。意外とうまいって!!」


葵は腕を組んで自慢げに言った。


四人掛けの席の、葵の横には様々なポーズや表情をした

大量のももぶたが並んでいた。


葵は新キャラクターのいちご犬というのがウケたらしい。


さっきからずっと手に持っている。



「可愛くね?いちご犬」


ハンバーガーを片手に、いちご犬をいじっていた葵は

わたしの目の前に、いちごの被りものをしたブルドッグのマスコットを出した。



「…ぶさ可愛い」

「ぶっ。何それ」


葵はけたけたと笑いながら、わたしの頭をたたいた。




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