領収書
お父さんが帰ってくると、私は「みーちゃん」と隣の部屋に逃げた。
隣からはお父さんの怒鳴り声と、お母さんの苦しそうなうめき声。
小さくなって、耳を塞いで震えていると「みーちゃん」はいつも私の手をペロペロ舐めてくれた。
そんな「みーちゃん」を抱きしめながら、幾度と夜を越えた。
お母さんの体に湿布や絆創膏が増えていくたびに、お母さんの笑顔は減っていった。
もう、二人でいても、ほとんど会話をしなくなっていった。
いつも以上にお酒臭いお父さんが、怒鳴り声と共に、隣の部屋に入ってきた。
「やめて!子供にだけは…!」
床にうずくまったお母さんが、私の方に手を伸ばして叫ぶ。
「うるせぇ、お前は黙ってろ」
目の前に現れたお父さんが怖くて、震えて涙をポロポロ流していた。
お父さんが手を振り上げた時、「みーちゃん」が私の前に立って威嚇をした。
シャーーーーッ
聞いたことない「みーちゃん」の声。
「なんだこいつ」
お父さんは、小さな子猫を蹴りあげようと足を動かす。
身の危険を感じたのか、「みーちゃん」は必死でお父さんの足に噛みつく。
「ふざけんな!」
振り払おうと手で子猫を押し返す。
大人の握力に、「みーちゃん」は簡単に飛ばされてしまった。
飛ばされた拍子に、強く体を打ち付けたようだった。
地面に横たわった「みーちゃん」が、それから動くことはなかった。
隣からはお父さんの怒鳴り声と、お母さんの苦しそうなうめき声。
小さくなって、耳を塞いで震えていると「みーちゃん」はいつも私の手をペロペロ舐めてくれた。
そんな「みーちゃん」を抱きしめながら、幾度と夜を越えた。
お母さんの体に湿布や絆創膏が増えていくたびに、お母さんの笑顔は減っていった。
もう、二人でいても、ほとんど会話をしなくなっていった。
いつも以上にお酒臭いお父さんが、怒鳴り声と共に、隣の部屋に入ってきた。
「やめて!子供にだけは…!」
床にうずくまったお母さんが、私の方に手を伸ばして叫ぶ。
「うるせぇ、お前は黙ってろ」
目の前に現れたお父さんが怖くて、震えて涙をポロポロ流していた。
お父さんが手を振り上げた時、「みーちゃん」が私の前に立って威嚇をした。
シャーーーーッ
聞いたことない「みーちゃん」の声。
「なんだこいつ」
お父さんは、小さな子猫を蹴りあげようと足を動かす。
身の危険を感じたのか、「みーちゃん」は必死でお父さんの足に噛みつく。
「ふざけんな!」
振り払おうと手で子猫を押し返す。
大人の握力に、「みーちゃん」は簡単に飛ばされてしまった。
飛ばされた拍子に、強く体を打ち付けたようだった。
地面に横たわった「みーちゃん」が、それから動くことはなかった。