領収書
「みーちゃん」が動かなくなって、何度も何度も泣き続けた。
動かなくなった「みーちゃん」をお父さんは汚いものを持つかのように摘まんで、ごみ袋に投げ入れた。
ごみになってしまった「みーちゃん」だったそれを、小学生だった私にはどうすることもできなかった。

母が亡くなったのは、それから一年もしないうちだった。
心と体の痛みに耐えられず、私のことを残して先にビルから飛び降りてしまった。
「みーちゃん」だけでなく、お母さんまで失ってしまった私に残されたのは、お父さんだけ。

ろくな生活をさせてもらえず、毎晩インスタントのラーメン。
身なりも整えることができないまま、学校ではイジメにあっていた。
家に帰れば、家事をして。
酔った父親の暴力に耐えるしかなかった。

誰も助けてくれなかった。
そんな生活がおかしいなんて思うこともできなかった。
これが私の"当たり前の生活"だった。

そんな父親が、まともに仕事ができるわけもなく、いつの間にか家は借金だらけになっていた。
それでも懲りない父親は、毎晩飲み歩いては、きつい香水の香りを連れて帰ってきていた。

生活が苦しくなり、バイトを始めた。
バイト代は全て父親の取られていた。
なにも反抗できなかった。
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