【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
教師らしからぬ容姿を纏う妖艶な美女。
だけど、本当はとても優しい保健室の先生だ。
「夏は暑くて嫌い?こんな季節はアナタのこと、すごく心配になるの」
いつも夏目先生はわたしの体調をさりげなく気にしてくれる。
穏やかな物言いにチクッと胸が痛みを感じた。
ベッドに腰かけるわたしの首の後ろにアイスノンをのせ、夏目先生は続けた。
「最近、変な噂を聞いてしまったの」
「噂、ですか?」
それってもしかして……。
わたしの脳裏には廊下で聞いた“結構有名……“だと言われている二人の噂話が過る。
「そう。私と七瀬君が付き合ってるんじゃないか、ってね?」
「……っ」