【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
「それにどうやら最近は、夏の暑さに弱い女の子に気があるみたいだしね?」
わたしを見てクスッとイタズラに笑った。
いや、全く笑えないんですが……。
どうして夏目先生はそんな風に穏やかに言えるんだろう。
大人の余裕ってヤツなのかもしれないけど。
本当はもっと、心の中で魅力の欠片もないわたしに対しても静かな怒りとか、不快な思いをしていたりするんじゃないだろうか。
「七瀬先輩は、わたしなんか……っ、気まぐれにただからかってるだけで……」
「そうかしら?まあ、確かに気まぐれなところはあるけど。でも、七瀬君の興味はアナタにあるんじゃない?」
わ、わたしに……?