【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
田中先生がいなくなった図書室で残された本を棚へ戻していると、離れた入り口から音がした。
だ……誰か来たの?
静かすぎる図書室に慣れてないせいかちょっとだけ怖いかもしれない……。
「ずっと……っ、す、好きだったの!」
ーーー好きっ?
見ず知らずの誰かの告白がわたしへ飛んできた。
「だから、無理」
うわっ……そんなあからさまに断る人がいる?
自分を好きだって言われて嫌な気分になる人なんていないでしょ。
離れているわたしにだって断る男の人のボソッとした、でも冷酷な声に心の中で勝手に反論する。