【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
【11.】溶けちゃいそうな声で
その日は朝からもう耳を塞ぎたいほどの熱い声が響き渡っていた。
「きゃ……っ、すごいっ!七瀬君ーー!」
「津田君の今のダンクヤバくない?頑張って!」
三年生の朝一番の授業はどうやら体育だったらしく、ハート乱舞と言えるほどの声援がグラウンドから飛び交っていた。
窓を開けたわたしの教室にもそれが聞こえてきたせいで日本史の授業どころではなかった。
わたしの場合は七瀬先輩の名前を聞くと図書室でのことを色々と思い出して反応してしまっていたからで。
なんで、胸が高鳴るんだろう……。