【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
【02.】美しい悪魔、君臨
「夏休みまで、オレのそばに居ろ」
自信たっぷりに言い放った。
この人、暑さで頭がやられた方ですか……?
どんな企みかと思い喉を鳴らして待つわたしに、全くもって理解に苦しむようなことを淡々とした口調で言った。
「あの……意味がわからないですが?」
「ハァ?わりと頭はいいって噂の学級委員のクセに、理解力は乏しいんだな?お前」
な……なんて皮肉なことを……。
理解力の問題とかではないと思いますが。
「わたしに……アナタのそばにいろと?」
「他にどんな意味があると思ってんだよ?」
いやいや……秘密を握った者同士だとしても確かに黙っていてほしいのはわたしで。
夏目先生とのことを隠すどころか堂々としている七瀬先輩からしたら、普通に考えてわたしの方が立場は下であって。