【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
「そうだ。和藤さんに、委員会でもらった資料を渡すから、オレ、先に下駄箱行ってるね?」
「う、うん……」
いつも空気を読む常磐君の話の続きが気になったけれど、わたしも早々とカバンを持って、はしゃいでいる杏奈と教室を出ようとした。
「ねぇ、八重?貧血とか起きてない?ちゃんと水分摂ってる?」
「大丈夫。ごめんね、いつも心配かけて……」
「ううん。そうじゃなくて、また倒れたりしたり、七瀬先輩が心配しちゃうもんっ」
「……っ、いや、それはないよ。津田先輩がそう言ったのかもしれないけど……」