【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
校長先生の長々とした話を聞いていたら横から名前を呼ばれて顔を向ける。
「た、田中先生……?」
振り向いて目に入ったのは、スミ爺の今日も見事によれたポロシャツに、一段と皺のよったズボン。
「ちょっと、こっちへいいかい?」
無愛想な口元がわたしを呼んでいた。
スミ爺がこんな終業式の真っ只中で何の用?
生徒達の列を抜けたわたしは田中先生の後ろを追って、そそくさと端っこに寄った。