【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
「えと、昨日はすまなかったね………」
「えっ、き……昨日、ですか?」
謝られるようなことなんてあっただろうか?
首を傾げたわたしに、ごわついた髪をもそもそと掻きながら眉を下げて続ける。
「君が、動けないほど辛いのかと思って……それで、そのまま同じ学級委員の常磐君に伝えてしまった……」
昨日、汗だくになって教室へと走ってきた常磐君のことを思い出した。
やっぱり、昨日そのことを伝えたのは田中先生だったんだ。