【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
ーーー“……出来るなら引いて頂きたいですが”
昨日確かにわたしはそう言ったけど。
まさか昨日の今日で宣戦布告しにきたわけですか……?
ダークブラウンの長い前髪がわたしのおでこにそっと触れるほどの距離で。
「そ、それじゃっ、わたしの日常がっ……」
「お前の日常?だったら、変わる覚悟くらいしとけよ」
「そんなっ……簡単に……」
わたしの心にベッタリと貼り付いた焦げ跡を取り除くことがーー日常を変えることがどんなに難しいか、アナタにはきっとわからない。
七瀬先輩の唐突に真剣な色に変えた瞳に捉えられたら、なかなか逃げ出すのも大変だ。