【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
何かを訴えたような眼光に射ぬかれそう。
というか……昨日の一件でそれは身に染みた。
窓から手を離して教室を出ていく七瀬先輩の後ろ姿をわたしは呆然と見ているだけで、恨めしそうなクラスメイトの女子達の文句が次第に大きく降り始める。
「……七瀬先輩って、そのっ、和藤さんと何か……あるんですか?」
意を決したように眉を釣らせて問いただす女の子を見やると、七瀬先輩は置物のように動けないわたしをチラっと視界の隅に入れる。
悪魔さん、なんて、答えるつもりですか……?