【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて
「別に。オレという存在が校内の風紀を乱してるって、昨日アイツに言われたから。わざわざ宣言しに来てやっただけだよ?」
え……?
息を潜めて耳を澄ませば、わたし達は昨日の保健室で一言もそんなやり取りをしていない明白な嘘で、得意気に答える七瀬先輩。
一体何を考えてるの?
この人は何をしたいのかまるで理解不能だ。
「なぁんだっ!気になる子って、そういう意味なんだぁ」
「……よっ、よかった!だよねっ?そもそも和藤さんが、七瀬先輩と、なんて。不釣り合いもいいとこ」
「わかるわかる。真面目な委員長は、恋もまだみたいだしねぇ」
だけど、どうやら七瀬先輩の嘘のおかげで非難の声は通り雨のようにピタリと止んだ。