【完】七瀬先輩と秘密の恋におちて



もちろん杏奈の気持ちはよくわかる。


あの七瀬先輩の周りにはいつも女の子の群れが絶えないし、それも美しい悪魔の呪いでもかけられたように夢中になってしまってる女の子ばかりだから。



「それに、どうしてか彼女は作らないみたいだしね?高校に入ってから、果てしなく告られてはいるのに」



話す度に体育の邪魔にならないように二つに結われた髪がふわふわ揺れる杏奈は、謎解きでもしてるみたい。


くるくる変わる表情は可愛いと素直に思う。



「七瀬先輩が、二人きりで密かに会う子ってどんな子なんだろう?」



眉間に皴を刻んで「気になるーー!」と呟く。


杏奈……、あの七瀬先輩は彼女作らないんじゃなくて既に彼女がいるんだよ……。


それも、教師らしからぬあの保健室の美女。



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