雀の恩返し
夕食後
バターの香りが部屋に漂う。
さっきお腹いっぱい食べたはずなのに、焼きたてクッキーの誘惑には勝てない。
「これはご主人様の分です」
シンプルなバタークッキーって最強かも。
熱々なクッキーも美味しいね。
手作りがいいのかな。
仲間のおばさん達と休憩時間中に食べるクッキーを作るスズメ。
彼女はすぐおばさん達と仲良くなり
しっかり人気者。
「美味しい」
「ありがとうございます」
スズメはマグカップを二つ持って、僕の隣にチョコンと座る。
本当だ、電線に停まる雀みたいだね。
つい笑ってしまう。
「クッキーにはカフェオレにしました」
「ありがとう」
「ご主人様」
「ん?」
「木之内さんと、上手くつがいになれそうですか?」
唐突な質問に僕は喉を詰まらせる。
スズメは素早く僕の背中に回って強くチョップ!
いやそれ強すぎ。無駄に痛い。
「大丈夫ですか?」
「うん。きっ……木之内さんって、どこでその名前を?」
砂糖無しの美味しいカフェオレを飲んで気持ちを落ち着かす
スズメはこの何日間で僕の好みを全て覚えたようだ。
鳥なのにスゴすぎるぞ。