溺愛ドクターに求愛されて
最悪の出来事

もう耳について離れない、鳴り続けるモニターの音。


バタバタと忙しなく行き交う足音と独特の消毒と薬剤の匂い。


ここはK大学附属病院の五階東病棟。いわゆる外科病棟といわれる場所だ。


入院してる患者さんはオペ前、オペ後の患者さんがほとんどで毎日術前の検査や準備、術後の処置で時間に追われている。


私、大谷沙織はK大附属病院に勤めて七年、外科病棟で働くようになってから四年が経つ。


異動になる前は内科病棟にいて、あまりに違う環境に戸惑ってばかりでなかなか大変だったけど慣れてしまえばどうも私は外科向きだったみたいだ。


患者さんと接する期間は短いけれど元気に回復していく姿を見ると単純に嬉しいしやりがいも感じている。


今日は日勤で、いつものように私は仕事をしていた。



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