溺愛ドクターに求愛されて

「そんなに誉められても何も出ませんけど」


その声にはっとして振り返るとナースセンターの入り口に越川先生が立っていて私達を見てクスクスと笑っている。


「あ、越川先生。遅くまでお疲れ様です。私、越川先生押しなんで本当、頑張ってください。応援してますから」


そう言って拳を握る井上さんを見て目を丸くした越川先生が声をあげて笑い出した。


「あはは。それはありがとうございます。じゃあ早く俺の事好きって言うように説得してください」


笑っている越川先生に井上さんは大きく頷く。


「分かりました。一晩かけて説得しときますからね。大谷、めちゃくちゃかわいくていい子なんで、本当に越川先生はお目が高い」


「ね、俺もこんなかわいくていい子他にいないと思うんですよ。元カレ、バカだなと思うけど俺としてはラッキーなのかな」


そう言って笑った越川先生に井上さんはニコニコしながらうんうんと頷く。


< 108 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop