溺愛ドクターに求愛されて
「ん、越川先生……」
「裕介、でしょ。俺の名前呼んで、ドキドキして。もっと俺の事、好きになって」
ブラウスも脱がされて、優しくベッドに押し倒される。
「ほら、名前呼んで。沙織、俺の事好き?」
耳朶を甘噛みされながら耳元で囁かれて身体がビクッと震える。
「ん、好き。ゆう、すけの事……好き」
何でだろう。好きっていうのも何だか恥ずかしくて身体が熱くなる。
恥ずかしいと思うのに、想いが溢れて伝えないとどうにかなってしまいそう。
「好き。私も、こんなに好きになるの初めてで、だけどドキドキして上手く伝えられなくて、ごめんな……んんっ」
言葉の途中で越川先生に唇を奪われて、私の伝えたい言葉ごと呑み込まれるようにキスされる。
「……本当に可愛らしくて困っちゃうな。」
そう言ってシャツを脱ぎ捨てた越川先生が、ふいに窓の外を見た。
つられて窓の外を見て、その光景に息を呑む。
雲に隠れていた綺麗な月が、見事な満月が現れて私達を見下ろしている。