溺愛ドクターに求愛されて
その日は沙織の二十九歳の誕生日で、二十九回キスしようなんて自分で言ったくせにそれじゃ全然足りなくて何度も何度も柔らかいその唇にキスをした。
媚薬みたいに甘い沙織の唇に夢中になって、沙織の事が欲しくてたまらなくなってそんな自分に驚いた。
元々、身体を重ねたりキスしたりする事が本当に好きじゃなくて。それで彼女もいらないし、結婚もしない。
医者としての人生にすべてを捧げるんだって思ってたのに。
あの時に沙織と一緒に生きたいと、強く思ったんだ。
今すぐ沙織と繋がりたいと思ったけど、それを必死に我慢しながら微睡んでいる沙織に一晩中キスしてた。
我慢しきれなくて、服の上からちょっとだけ身体触っちゃったけど。
触れるたびに沙織の口から漏れる色っぽい吐息がまたやばかった。
あのまま病院からの呼び出しがなかったら、鞍馬に行かずにやっちゃってたかもな。