溺愛ドクターに求愛されて
「あなたの子を宿せた事を、心から嬉しく思います」
そう言ったその人が大切に、愛しそうに下腹部を撫でる。
俺はそれを見て驚いて目を見開いた。
そんな俺を見て宝石のように美しい涙を溢しながら沙織は微笑んだ。
「あなたを心から愛しています。だからもう離さないでください」
あの頃と変わらない、優しい笑みでそう言ったその人の事を見て俺も微笑む。
「離しません。もう、二度と……」
そう言って沙織の事をぎゅっと抱きしめたまま眠ってしまったらしい俺は次の日の朝、起きてから昨日の事は夢だったのかと考え込む。
「おはよう、裕介」
そう言われて隣を見ると、可愛らしい笑顔を浮かべて俺を見つめている沙織がいて自然と頬が緩む。
「おはよう、沙織」
そう言って頬にキスすると沙織がちょっと照れくさそうな顔で俺を見上げてくる。