溺愛ドクターに求愛されて
「愛してるよ、沙織。俺達の子供、宿してくれてありがとう」
愛の結晶とはよく言ったものだ。
今、沙織の中で育っている小さな命は俺と沙織の愛が混ざりあって溶け合った結晶なんだと思うとちょっと感動する。
こんな大変な世の中に、勇気をもって飛び込んできてくれたんだよな。
前に沙織に太陽と月が重なると永遠を表すダイヤモンドリングっていう現象が起きるって話したけど、あれってこういう事なのかもしれない。
セックスって子孫繁栄のための行為なわけだし、縁を繋いでいくってそういうことなのかもしれない。
俺の親にも親がいて、その親にもまた親がいる。その輪廻が、永遠に続くそれなのかもしれない。
今、沙織は俺の腕の中にいる。
例え前世というやつで俺と沙織に何があったとしても……。
今、沙織といるということが何よりも大切だ。