溺愛ドクターに求愛されて
エピローグ
「お母さーん!」
バタバタと騒がしい足音が聞こえて振り返ると、涙目の龍生が目に入ってどうしたのかと首を傾げる。
「どうしたの? お父さんと遊んでたんでしょう?」
息子の龍生が生まれてから早四年、時が経つのは本当に早いなと思う。
私によく似た可愛い我が子の頭を撫でると龍生は涙目で足にしがみついて私の顔を見上げてくる。
「僕が大きくなったらお母さんと結婚するって言ったらお父さんが絶対ダメって」
龍生にそう言われて私は驚いて目を丸くする。
「当たり前だろう。沙織は俺のお嫁さんなんだから、絶対ダメだよ」
リビングに入ってきた裕介がそう言って私の事を抱き寄せる。