溺愛ドクターに求愛されて
怖くない。
穴の向こう側から差す光がすごく綺麗だ。
私に必要な縁が結ばれますように。
そう願いながら穴をくぐり抜けると、単純かもしれないけど本当に生まれ変わったような気がしてくる。
その境内にはさっきまでちらほらと人がいたのに、誰もいなくなっていてちょっと不思議な気持ちになってくる。
なんか、すごくすっきりしたかも。ここに最初に来てよかったな。
そう思いながら縁切り縁結び碑に形代を貼りつけていると、境内に誰かが入ってきた。
何となく人が来たことにほっとしてその人を見た私は、驚いて目を見開いた。
そこにいたのは昨日ホテルの前でスーツ姿でじっと私を見ていた綺麗な男の人で、その人も私を驚いたように見つめている。
今日はスーツじゃなくてシャツとジーンズでまた雰囲気が違うけどやっぱりすごく綺麗な顔してる。