溺愛ドクターに求愛されて
だけど伏見稲荷に来たら絶対に稲荷山に登った方がいいと見たから頑張って登る。
舐めてかかったら痛い目見るって書いてあったけど、本当だ。
予想以上に、きつい。体力ある方だと思ってたんだけどな。息が切れて肺が痛くなってくる。
休みながら登るけど、もう結構登ったからもう少しかなと思ったのに途中にある現在地を示した看板を見たら半分くらいしか来てなくて驚く。
ちょっと絶望的な気持ちなんですけど。
「ねえ、ちょっとどうするの。いい、登ったら下りなきゃいけないんだからね。そこも考えなさい」
子供にそう言っているお母さんの言葉に私は苦笑いする。
何だか自分に言われてるみたいだ。
だけどここまで来たら頑張って頂上まで登ろう。
そう思って私はまた途中で休憩しながら登りはじめる。
途中、開けたところから京都市内を見下ろしたり、気持ちのいい風を感じたりしながらひたすら階段を登る。