溺愛ドクターに求愛されて
やっと頂上の一の峰に着いた頃には、私の額には汗が滲んで背中を汗が伝っていた。
乱れた息を整えながら何ともいえない達成感を噛み締める。
山登りにはまる人の気持ち、なんか分かるかも。
山登りしてる人にはここの山は小さいんだろうけど、私にはすごくきつかった。
記念にここが山頂、標高二三三メートルと書かれた看板を写真に撮ってふうっと息をつく。
伏見稲荷の神様は、御本殿じゃなくてこの山頂にいるって云われてるみたいだけど。
私はそういうの感じないからよく分からないけど、何かここ清々しくて気持ちいい。
頂上で少し休憩してると、また誰もいなくなっている事に気付いてちょっと怖くなる。
登ってくるのに思ったより時間がかかったから夕方になってきてるし。
心細くなってきて私は戻ろうと階段に向かって歩き出した。