溺愛ドクターに求愛されて
「ふうん。それで安井金比羅宮にいたんだ。……本当に運命感じちゃうな」
そう言われてちょっとドキッとして立ち止まってしまう私に裕介さんは微笑んだ。
綺麗な裕介さんの顔につい見とれてしまう私の横で、鳥居の向こうの草むらがガサガサと音をたてた。
「きゃっ!」
それに驚いて、私は思わず裕介さんの服を掴んでしまう。
何だろう、今の。それに夕方とはいえさっきから全然人とすれ違わないし、なんかすごく怖くなってきた。
裕介さんを見上げると、真面目な顔でじっと私の事を見下ろしていてあまりにも綺麗なその顔にすごく不安になってきてしまう。
「……裕介さん、人間ですよね?」
思わずそう聞いてしまった私のその質問に、裕介さんはニヤリと笑う。
その妖艶な微笑みが今の私にはすごく怖くて、ちょっと後ろに下がってしまう。