溺愛ドクターに求愛されて

そんな私の腕を掴んで、裕介さんは更に笑みを深くする。


「どうだろうね。ここは何があってもおかしくない場所だから。……こんな時間なら余計ね。ちょうど逢魔が時だしね」


そう言われて背筋がゾクリと寒くなった。本気で怯えてしまって、ちょっと泣きそうになる私を見て裕介さんはぷっと吹き出した。


「嘘だよ。ごめん、ごめん。だからそんな泣きそうな顔しないで」


そう言った裕介さんが私の身体を引き寄せて抱きしめた。


突然のことにパニックになる私を裕介さんは更にきつく抱きしめる。


「一見、クールに見えるのに。怖がりなんだね、舞依ちゃんは。かわいい。ほら、ちゃんと温かいし。心臓の音も聞こえるでしょ?」


そう言われればちゃんとぬくもりも感じるし、心臓の音も聞こえる。


それに少しほっとするけど、そうなると段々ムカムカしてくる。


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