溺愛ドクターに求愛されて

「からかったんですね。ひどいです」


尖った声でそう言った私の身体を離して裕介さんは困ったように笑う。


「ごめんね。なんかかわいくてちょっといじめたくなっちゃって。やっぱり手、繋いであげようか?」


そう言って差し出された手に、私はおずおずと自分の手を重ねた。


だってやっぱり怖いし、意地悪した裕介さんが悪いと思う。


「……やばい、かわいい」


そう呟いた裕介さんが私の指に自分の指を絡める。


「行こうか。これ以上暗くなったら舞依ちゃん、泣いちゃうかもしれないからね」


裕介さんが私の手を引いて歩き出す。


「舞依ちゃん、いつまで京都にいる予定なの?」


「えっと、明後日までです」


有休を三日間とってるから、二泊三日にしたんだよね。


今は自分の部屋で一人になりたくないし。一人になったら余計なことばかり考えてしまいそうだから。


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