溺愛ドクターに求愛されて
「俺がとんでもない男でこうやって襲われたりしたら、どうするの?」
耳元でそう囁いた裕介さんを見るけど、裕介さんはそんな悪い男じゃないと思うな。
「裕介さん、悪い男じゃないと思うから。大丈夫です」
そう言った私に目を見開いた裕介さんが肩を震わせて笑って、困ったように眉を下げて私の事を見る。
「ずるいね、それ。あわよくばと思っちゃったんだけど。そうだね、行きずりの関係でいいんだったらおいしくいただいてたけど……そうじゃないからな」
そう言った裕介さんが私の身体を離してはあっと息を吐く。
「じゃあ、帰るね。明日迎えに来るから」
温かい温もりが離れてしまったことを寂しく思った私は裕介さんの服を思わず掴んでしまって、そんな自分に驚いて目を見開いてしまう。
そんな私を見て裕介さんはぷっと吹き出した。