溺愛ドクターに求愛されて

「二十……九歳です」


唇の上でそう聞かれてその吐息に反応してしまいながら答えると裕介さんが艶やかな笑みを浮かべる。


その笑顔に心臓の音が分かりやすく跳ねた。


「じゃあ、二十九回キスしよう」


そう言った裕介さんが私の事をベッドに押し倒した。


覆い被さってきた裕介さんの右腕が私の頭を抱いてまた唇が重なる。


「沙織の唇、甘い」


はあっと息をついた裕介さんがそう呟く。その言葉に、身体がかあっと熱くなる。


「甘いお酒飲んでたから……」


恥ずかしくなってそう言う私に裕介さんはクスリと笑う。


「そうかな?じゃあ、確かめさせて。ごめん。二十九回じゃ、足りないみたい」


何度も何度も、角度を変えて感触を確かめるようにキスされて何にも考えられなくなる。


「お誕生日おめでとう、沙織」


唇の上でそう囁いた裕介さんが、私に何十回目のキスをした。


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