溺愛ドクターに求愛されて
夢のような時間

唐突に鳴った目覚ましの音に目を覚ました私は、はっと身体を起こした。


鳴り続けている携帯のアラームを消そうとして、それが自分の携帯ではない事に気付く。


伏見稲荷で壊れて電源も入らない状態だから、アラームが鳴るわけないし。


アラームを止めてその携帯を手にして、昨日の事を思い出して一人赤面しながら唇をさする。


夢、じゃないよね?


何か……一晩中キスしてた気がする。人生であんなにキスしたのは初めてかもしれない。


弘樹と付き合っていた四年間にキスした回数を一晩で軽く超えてしまった気がする。


服の上から胸とか太股とか触られた気はするけど、それ以上の事はしてこなかった。


それ以上の事もされてもいいと思ってしまった自分に、ちょっと愕然としてしまう。


旅先で会った人とそういう事になってもいいと思ってしまうなんて、私やっぱり相当弱ってるんだろうか。


それとも、裕介さんだから?


< 54 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop