溺愛ドクターに求愛されて
別にイケメン好きってわけでもないんだけどな。
ただ、あの人の隣……何だかすごく居心地がいい。
我慢しなくてもいいというか、裕介さんが甘えさせ上手なのかな。
ああいう人は、初めてかもしれない。
裕介さんの事を考えていると、私の持っている携帯電話が鳴って私は驚いて飛び上がった。
携帯の画面を見るけど、登録されていない携帯からの電話のようで名前は出ていない。
どうしたものかとオロオロしてしまうけど、ずっと鳴ってるその電話に意を決して出てみる。
「も、もしもし……」
全然知らない人だったらどうしようと小さい声でそう言った私の耳に、低い笑い声が聞こえた。
『おはよう、沙織。起きれた?』
「……裕介さん?」
その声は裕介さんだと思ったけれど、何となく自信がなくてそう聞く私に、また笑った声が聞こえる。