溺愛ドクターに求愛されて

そこには携帯を耳に当てた裕介さんがいて、私を見て微笑んで何のためらいもなく部屋に入って来る。


「ごめんね、昨日。寝てる間に帰っちゃって。無防備な寝顔が可愛くて何もしないでいられる自信なかったからさ」


そう言って私を抱きしめた裕介さんが私の唇にキスしようとして、慌ててそれを手で遮った。


「……ダメ? 昨日はたくさんしたのに」


ちょっと不服そうに言われるけど、昨日と今じゃ状況が違うから。


「昨日はお酒入ってたから……。シラフだとちょっと恥ずかしいというか」


赤くなりながらそう答えると裕介さんは笑みを深くして私の顔を覗きこむ。


「そんな事言われたら、今日も飲ませたくなっちゃうな。んー、じゃあ……出掛けようか。恥ずかしがってる沙織も可愛いから、焦らされるのも悪くないしね」


うわ、すごく恥ずかしい。裕介さん、やっぱり女馴れしてるのかも。


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