溺愛ドクターに求愛されて

「そうだね、体力はあった方がいいかな。そこで休憩して行こうか」


ニコッと笑った裕介さんにそう言われてやっぱりそうだよね、と思う。伏見稲荷もきつかったもんね。


もうすぐ本殿という所に洗心亭と書かれた休憩所があってそこにある椅子に裕介さんと並んで座る。


「俺、ここで食べるおにぎりすごく好きなんだよね。何か美味しいの、感動するくらい」


そう言って裕介さんが私に買ってきたおにぎりを差し出す。


「ありがとうございます」


それを受け取って、豊かな緑とうなりをあげて吹く風を感じながらちりめんじゃこと七味の京都らしおにぎりを一口食べる。


「お、おいしい」


確かに、感動するくらいおいしい。こんなおいしいおにぎり人生で初めてかもってくらいおいしいかも。


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