溺愛ドクターに求愛されて
「え、いや……違いますよ。大体、まだ前の彼氏と別れたばかりなのに。そんな……いきなり次にはいけないです」
彼氏と別れたばかりで越川先生とああなった事が悪い事な気がして、そう言う私に井上さんは大きなため息をつく。
「そういや仲村先生と別れた理由も聞いてなかったわね。あー、今度の夜勤楽しみになってきたわ。たっぷり聞かせてもらうからね」
楽しそうにそう言った井上さんに苦笑いしながら、それよりも今日の越川先生との事だと私ははあっと息を吐いた。
午後の仕事をしながらずっと越川先生の事を考えている。
東京に戻るとは言ってたけどまさか医師で、しかも私が働いている病院に赴任してくるなんて思わなかった。
でも彼女いたんだ。そっか、そうだよね。
あんなかっこいい人に彼女がいないわけないし、やっぱり一夜の遊びだったんだ。