溺愛ドクターに求愛されて

いや、分かってた。私だって分かっててそれを受け入れたんだし、なのに何で傷ついてるんだろう。


聞くの、嫌だな。越川先生の口から、彼女がいるからあの夜の事はなかった事にしてとか言われるの嫌だな。


だけど、もし本気だと言われても私は越川先生と付き合えるんだろうか。


もう二度と医者とは付き合いたくないと思ってるのに。


それこそまた浮気されでもしたら、もう二度と恋は出来ないかもしれない。


だけどすっぽかすわけにもいかないし……これから同じ職場で働くんだから、逃げても仕方ないよね。


そう思った私は越川先生の指定した時間に職員駐車場に向かった。


駐車場の入り口で待ち構えるように立っていた越川先生が私を見てホッとしたように笑う。


「お疲れ様。良かった、来てくれて。すっぽかされたらどうしようかと思った」


「お疲れ様です。これから同じ職場なのに、逃げても仕方ないので……」


もうこうなったはっきりしちゃった方がいいし、きっぱり彼女がいるからと言われた方が楽かもなんて思ったりして。


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