溺愛ドクターに求愛されて
「俺がその日限りの遊びのつもりだと思ったから逃げちゃったの?」
そう言われて私は頷いた。
「その日限りなんかじゃなくて、俺の彼女になってほしいと俺は思ってるよ。京都で最初に見た時に、一目惚れしたんだ。
どうしても沙織とどうにかなりたくて、藁にもすがる思いで安井金比羅宮に行ったんだよ。
あの時も、声かけようと思ったんだけど……でもその後ちゃんと縁繋いでもらったかな」
越川先生にそう言われて、ちょっとびっくりする。
え、じゃあ……ちゃんと越川先生は私の事を好きってこと?
どうしよう、すごく嬉しいと思ってるけど……。
「でも、すいません。私……医者の事は信用できなくなってしまって……」
そう言うと越川先生は眉をひそめた。
「なるほど。浮気はした元カレが医者だったわけね。でも医者だからって振られるのは納得出来ないな。ちゃんと俺自身を見てよ。俺のこと、嫌い?」
真っ直ぐに見つめられて私は首を横に振った。
嫌いなわけない。私、この人に惹かれてる。