幹部は幹部でも。
「霧くん率いる狼さん達の所在は分かりましたけど、暴狼さんはどうしたんですか?」
「さ~なぁ。また暴れとるんちゃう?…唄ちゃん、回収してきてくれるか?」
「…また、ですか。」
「お願いやって~」
「はいはい。分かりましたよー…っと。」
ソファから立ち上がり、掛けてあったライダースジャケットを着、真っ黒なネックウォーマーをつける。
流石にパソコンを持って行くのは止め、スマホをポケットに入れた。
「何か格好ええね、唄ちゃん。ライダースよう似合っとるし。」
燐のその言葉にありがとうございまーす、と棒読みで言い倉庫を出て行く唄。
その後ろ姿に燐は、静かに息を吐いた。