同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
“そんなこと言われても困る”とハッキリ言うか、あるいはウィルのように上手いジョークでかわせればいいんだけど、私はあいにくノーと言えない純日本人。
まごまごしているうちにウィルの方から気まずい空気を変えてくれた。
「……なーんてね! やっぱボクにシリアスは合わないや。……さっきのは気にしないでいいよミチル。せっかくのグアム、ジンと目いっぱい楽しんで!」
頭上の太陽にも似たまぶしい笑顔を向けられて、ホッと胸をなでおろす。
ああよかった……。さすが女の子を口説きなれてる人は、フォローも上手いなぁ。
「ありがとう、ウィル。……じゃあちょっとこれ脱いで、もう少し迅がよく見える方まで近づいてくる」
私はそう宣言すると、ワンピースをするっと肩から落として水着姿になる。
「うん。ボクは荷物番してるから行っておいで――って、ミチル……」
急に黙ってしまったウィルは、口元を手で覆って私をじっと見ている。
「ウィル?」
「あー……ジンが“見せたくない”って思うの無理ないかも」
「え……ちょっと攻めすぎて見苦しい、かな……?」
不安になって手で身体を隠そうとすると、ウィルは首を横に振った。