同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
「逆。すっごい可愛いしセクシー。ミチルを見つけたら、ジンの奴ボードから落っこちるかもね」
「そ、そんなわけないって……」
またしても臆面もなく誉め言葉を口にするウィルにドキッとさせられて、不覚にも顔が熱くなる。
ウィルったら、全く今まで何人の女の子を泣かせてきたんだか……。
そんな余計な心配をしながらずんずん砂浜を歩いて、きらきら光る波間に迅の姿を探す。
「あ、いた。じーん!」
十数メートルは遠くにいるけれど、声は届きそうな距離。
大声で呼んで手を振ると、板の上に上手く立ち上がった迅と目が合った気がした。そして一瞬固まったようにも見えた彼は、次の瞬間。
「あ。……ホントに落ちた」
大丈夫かなと目を凝らしていたら、ボードにつかまって水面に顔を出した迅が見えたので、ひと安心。
今のは偶然かもしれないけれどウィルの言った通りになったことがおかしくて、私は人知れずクスリと笑った。