同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
うそ……私……私、プロポーズ、されてる……。
こんな素敵な人に。二次元よりカッコいい、王子様に。
ぶわっと浮かんだ涙で京介さんがぼやける。
うう、もったいない……これ、一生に一度の、限定スチルなのに……。
すぐさま自分の手で涙を拭うけど、次々新しい涙が湧き出る。
胸がいっぱいで、返事がなかなか口から出ない。
本当の恋愛は、ゲームみたいにうまくいかないんだ。
私、そのことをあなたともっと勉強したい。
「京介さん……うれしい。私、あなたと、結婚します」
涙声でそれだけ伝えると、京介さんがフウと息をついた。
「よかった。返事を溜めるからちょっとひやひやしたよ」
「ごめんなさい……」
「さっきも言ったろ? 謝らないでって。僕は八重の見せてくれる表情や仕草の全部、きみと過ごすどんな一秒も愛おしいんだ。こんな気持ちをくれたきみに、いつも感謝しているんだよ」
そんな……私の方こそ、感謝することばかりだ。
こんな自分でも誰かのお姫様になれるんだって教えてくれたあなたが、愛おしくてたまらない。
私は手を伸ばすとそっと彼の頬に両手を添えた。
そして自分の方へと引き寄せると、初めて自分から唇を合わせた。
一瞬だけの、軽いキス。
それだけでも心臓がはちきれそうだったのに、離れた唇はすぐにまた戻ってきて息のかかる距離で囁く。
「お姫様。まだ日は高いけど、どうしても我慢ができないんだ。……愛させてくれる?」
「……っ! は、い……」