同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
4.恋のカクテル sideウィル
キョウスケの連れてきた女の子はみんな美人だったけど、なかでも僕の好みはミチルだった。
真面目な顔はクールなのに、笑うと少女のようにキュートで。
僕の冗談にいちいち本気で反応して照れているのも可愛いし、何よりさっきの刺激的な水着姿……。
あの中はどうなってるんだろうと想像力を働かせてしまうのは、男なら仕方のないことだろう。
そんな魅力的なミチルだけど、残念なことに彼氏持ち。
二人は上手くいっているようで、付け入る隙はあまりなさそうだ。
だけど、こうして“落としたい女の子”に出会うのはかなり久々で、ワクワクする自分もいる。
本当は、追いかけるだけ損をするような恋愛は、あまり得意じゃないんだけど……。
そんなことを考えていると、ミチルのビーチサンダルが視界に入る。
サーフィンをするジンを近くで見たいと波打ち際に行っていた彼女が戻ってきたらしい。
顔を上げると、ミチルの顔はどうしてかしょんぼり沈んでいる。
「……怒られた」
それだけ呟いたミチルは、せっかくの水着を隠すようにしてそそくさとワンピースを身に着ける。
「怒られた……って、ジンに?」
「そう。二人きりならまだしも、ウィルがいるときにその格好になるのは許さないって。いちおう謝ったけど、怖い顔してまた波乗りしに行っちゃった」
「ふうん。ジンって全然女の子のキモチ考えてないんだね。だってミチルはジンのために勇気出して大胆な水着に挑戦したんでしょ?」
ミチルは一瞬動作を止めて、僕の顔を見る。
それから小さなため息を一つこぼした。