同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
溺愛level3*同居のはじまり
*
『……二人して遅刻ってどういうことかな?』
吉沢部長が怒っている。
いつも通りのニコニコ笑顔のようで、目が笑っていない。
『……すみません。難波が“もう一回”ってせがむもので』
『比留川くん、な、なに言ってるの!?』
上司に怒られてる時に、そんな冗談、しかも下ネタかましちゃダメでしょう!
ほら、部長がため息ついて呆れてる……!
『ふたりのプライベートは自由にすればいい。だけど、昇進の話は白紙だな』
そ、そんなぁ……!
こんなん、何かの間違いじゃ! どねぇしょう……!
*
「比留川くん! もう一度部長に謝りに……っ!」
そんな自分の大声で、私は目を覚ました。
あ、れ……? ここ、会社じゃない……。
上半身を起こして目をぱちぱちと瞬かせ、周囲を観察する。
無垢板のフローリング、濃いブルーのラグ、鮮やかな緑の観葉植物、白い壁に立てかけてあるサーフボード。
そんな爽やかなマリンテイストの部屋のなか、私が今いるのはベッドの上……で、なにやら身体がスースーするような。
首を左右に動かすと、肩が丸出しになっている。
ふいにいやな予感を抱いて、胸元の掛け布団をちらっとめくった。
ブラがない……まさか下も?
おおう、履いてない。……なぜ。